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悪い緩衝

冗長性や緩衝空間を設けるとイレギュラーな事態をいくらかでも緩められる。これはあいまいな部分を敢えて作っておくことの利点だ。しかし、時に人はこれを悪用してしまうことがある。あいまいさを利益追求の隙と見てしまう時だ。法的に規制がなかったり、あるいは誰も見ていない、世間が気付いていないからその隙を縫って利益追求に走る。いや、そもそも利益追求なら昔から人を出し抜いて、隙を突いてかっさらっていくものではある。が、それも他人の生命の危機に触れない範囲で許されるべきものではなかろうか。
冗長性を持たせることで不測の事態にも幾らかは対処できるように運行ダイヤは作られているはずのものだろうに、そもそも新しい駅が途中に追加されてもトータルでの運行時間が変わらないというのは、もともとあった冗長性が利益追求に転用されていったということに他ならない。さらに少し勘ぐってみるなら、自動的に速度制限が行われるという、安全面から言えばとても理にかなった新型ATSをなかなか導入してこなかったのは、この緩衝地帯を悪用する為だったように思えてならない。そしてそのしわ寄せが、結局未熟な運転士に圧し掛かった。
こういった構図は、しばしば大事件や大事故で見え隠れする。緩衝空間は意図的に侵し続ける場所ではないのだ。