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[musictrack出張所--tabris@Iskandal] [ヤマトサウンド耳コピ作品ストリーミング配信サイト--宇宙戦艦ヤマトの音楽]

Flush ROMは使いたくないんだよ

餅の音色の記録方法は2通りある。一つはuser voiceとして編集した音色をFlush ROMに書き込む方法、もう一つはSong modeでmixing voiceとしてDRAMにstoreし、その後song data(*.W7S)の一部としてfile保存する方法だ。前から感じていたのだが、前者はあまり使いたくない方法だ。 Flush ROMへの書き込みをするからだ。時間がかかる上に、いつかFlush ROMへの書き換え回数をオーバーしてしまいそうで性格的に気が気でない。
preset音色ではなかなか欲しいピッタリの音にならず、いつも編集した音を使っている。特にStringsだ。 Stringsがどうも単純にvolumeという点で他の楽器に負けがちだったので part volume最大にしているのはもちろん、stringsだけ別に録音して volumeを相対的に上げてmix downなどとやってきたのだが、つい最近ようやくその原因が分かった。

餅をsong modeで使う場合、volumeは実は2段階ある。 midi dataにも書き込めるpart volume(Sys.Ex. addr=37 pp 0D: pp:part number-1)とvoice parameterとしてつまり音色データとして登録する voice volume(Sys.Ex. addr=40 00 01)だ。このvoice volumeなんだが、Stringsがpreset音ではなぜか小さめに設定されているのだ。おそらくはそのまま使ってもバランスが崩れないような配慮からそういった値になっているのだろう。このvolumeを大きくしすぎると確かに、別に録音して重ねたように浮いてしまう上に、何か音色感も違ってきてしまう。これに注意してもやはり表現の幅を広げる意味では、このparameterもいじっておきたい。

そこで早速Sys.Ex.をmidi dataに書き込み送信実験。 song modeにおいてparameterの変化は表示上出るのだが、それが実際の音に反映されない。 editボタンの2度押し(edit→compare→edit)などをすると初めてparameterの変更が認識される。
困った。これではsequencerから完全には制御できないではないか。餅の取扱説明書をよく読むとこのSys.Ex.はvoice mode用となっている。これらのことをYAMAHAに訊いてみたのだが、やはりvoice modeで受信することを前提としているらしい。これでは、音色を少しいじるたびにそれをuser voiceとして Flush ROMに書き込まねばならない...うんざりだ... SQ01に付属のvoice editorやpart editorに期待したが音色変更はどうしてもFlush ROM経由らしい。その曲だけで使う音色なのだからFlush ROMに書き込まなくていいんだよぅ...

ところが。以前餅を手に入れたての頃、SQ01との接続がどうもうまくできなかったのだがしかたないので餅内部のsequencerで作っていた時期がある。その時もいろいろ音色を作ったのだがこれらは全て Flush ROMを介さずにsong dataの一部としてfile出力できたのだ。これがもう一つの音色記録方法であるDRAM経由によるものだ。餅の世界ではこれを"mixing voice"といっている(ことが最近になって分かった。似たような用語が出てきてよくその違いが分からなかった)。これは16partに対応して1songあたり16個だけ登録ができる。そう、このmixing voiceをsequenecerから登録、変更ができればナイスだ!もっとも、このDRAMへのアクセスも微妙に時間を使うようなのでsequencerで走らせながら途中でvoice parameterをいじるのは難しいかもしれない。それでも、midi dataの冒頭でvoice parameterを変えられるならそれに越したことは無い。現在この点をYAMAHAに質問中。

とりあえず、今は折衷案として、mixing voiceなど初期のvoice設定などだけを書いた dataをsong dataとしてfile save、次回演奏時にはまずこのfileをloadしてそのうえでsequencerを走らせることにしている。因みにこのmixing voiceのbankは MSB=63 LSB=60だ。