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[musictrack出張所--tabris@Iskandal] [ヤマトサウンド耳コピ作品ストリーミング配信サイト--宇宙戦艦ヤマトの音楽]

ゼロ・サムゲーム

各trackのrecordingの終わった「都市帝国」だが、Audio Balanceがなかなか決まらない。パンチが弱いからとそのtrackのout levelを上げると別のtrackのrecording levelが極端に下がったりする。そこで、そのtrackもまた上げるということになるのだが、これを繰り返していくとcompressorがパンパンになって音割れしてしまう。「足し算」ばかりでなく「引き算」もしなくてはいけないのだ。「waveのゼロ・サムゲーム」である。

しかし作っている時はなかなか冷静に音が聴けないもので、結果、compressorギリギリのlevelでrecordingしてしまい、ただlevelがデカイだけの何ともメリハリの無い騒音に成り果てる。これまでの@Terezartでの作品はみな、この傾向があって聴き辛い。こちらの作品群はいつか本格的に改装せざるを得ない。

私はいつもcompressorは2通りの意味で使っている(皆そうなのかもしれないが)。一つはBoost系あるいは強めのEQのような音色変形の為にMultiBand Compressorを、もう一つは他のtrackに埋もれてしまわない為にそのtrack全体を底上げするような意味で VST Dynamicsを、という具合だ。実験のなかで今回発見したのは、弱音levelの強調の具合で劇的に雰囲気が変わるということだ。それはその楽器の「響き」にかかわる部分だから当然のことではあるのだが、これまでこの点について全く無神経だったと痛感している。ほんの少しの強調で生きも死にもする。繊細なだけに面白く、また難しいところだ。おそらく「デスラー襲撃」などもContraBassをやたらに重ねるより、この響きのうまい強調具合で引き立たせるほうが説得力があるだろう。

さて、こうしてどんどんvolume levelが上がってしまうので、 Dynamicsがあまり得られなくなって結果平坦な音になってしまうわけだが、しかし最近、この平坦化を避けるちょっとインチキな、しかしなかなか即効性のある方法を見つけた。
出過ぎた音を叩くために各trackそれぞれにVST Dynamicsをかけて、更にその各Audio trackを統合していくわけだが、当然この段階でも音を足していくのでvolumeは上がっていき、再度全体でcompressorをかけなくてはならなくなる。大概はこのとき音割れ、音の歪みが起こったりして破綻する。破綻した時は各trackのout levelを再度設定しなおして... となるわけだが、すでにvolumeなどのautomationが各trackに記録されている場合、これもいちいち直すことになりかなり面倒な作業になる。
それでもいまmonitorしている音を割れない/歪まないlevelで統合したいというとき、ちょっと強引だが最後のBUS(私の場合UA-25)への入力levelそのものを下げてやればいい。もちろんBUSそのものにもcompressorをかけておくのだが、大きなlevelでそのまま入力されるよりはるかに良いDynamicsが得られる。つまり強調したい音はそのまま強調され、引く所はきちんと引くからだ。とても単純なことなのだが、なかなか使える技だ(技?)と思った。

さて、そうこうするうちに「都市帝国」のBalanceも決まってきた。今日辺り投稿するかな...

さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち

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