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[musictrack出張所--tabris@Iskandal] [ヤマトサウンド耳コピ作品ストリーミング配信サイト--宇宙戦艦ヤマトの音楽]

フラッタータンギング

「都市帝国」をやるにあたって、ずっと気になっていた金管の音表現があった。中間部の(実際にTempo upして)疾走しているようなところで、 TrumpetかCornetなんだろうか、トゥルトゥルトウルトゥルという、丁度巻き舌で吹いているような部分がある。ネットで検索しようにも、「トゥルトゥル」では探しようもなく、しばらく放ってあったのだが、ひょんなことからこの奏法について知ることになった。「フラッタータンギング」というのだそうで、本当に巻き舌で息を吹き込んで鳴らしているのだそうだ。私は巻き舌ができないので(かつてトライしてみたが舌が攣ったので止めた)そんな吹き方があるなど想像だにしていなかったが、そう思って聴いているといろんな曲で使われている。そういえばフルートなんかでもよくやっている。

さて、奏法が分かったところで、それを如何に表現するか、これはとても大きな問題になった。餅にはそんな音は入っていない。まったく無視して作るというのも考えたが、どうしても物足りなくなる。あのふてぶてしい音でこの中間部が盛りたっているのだ。ところが最近、以前から注目していた Virtual Acoustic Plug-in Board PLG-150VLを手に入れた。いまひとつ使い方が分からずにいたのだが、この機会に使ってみることにした。以下は使用方法の覚書。書いておかないと自分が忘れるので。


  1. Boardを差して電源を入れて餅のVoice modeでPLG1を選択すると、いきなり音色が何も表示されないことにびびる。「壊れてるのでは」と思ってしまうが、デフォルトでなぜか初めは PLGUSER1というBankが選択されるようで、 Voiceを自分でEditして保存していない初期状態では何も音色が無いことになる。ここで慌てずにメニューでBankを選んでpreset音色に切り替える。鍵盤を押せばこれで鳴る。
  2. 次にこのBoardをCubaseで鳴らしてみることにした。しかし、ここで困ったことになった。 Cubaseはchannelが16しか表示されない。(というか、普通のsequencerは皆そのはずだ。)一体、どうやって「17番目のchannel」を選択するのか? PLG-150VLのマニュアルには書かれていない。 Cubaseのほうも相手にしてくれない。しかし、餅のマニュアルをよくよく読むと、「MIDI Port No.を2か3にするように」とある。そういえば、試運転の時Portを2にした。そしてUSB MIDI Port が4つあるのは17channel以上を扱うためだった。 CubaseにてPLG-150VL用のトラックのMIDI OUTをYAMAHA USB OUT 0-2に変更。するとプログラム選択の欄でBank No.とProg No.を数値入力することになる。例えばPLGUSER1のProgram 1はBank=8088, Prog=1となる。
  3. 後から気付いたのだが、CubaseMIDI Device Managerで新たにもう一度 MOTIF ES Device(motifator.comから拾ってきた) をインストールしMOTIFES Device 2として登録し、出力を YAMAHA USB OUT 0-2に設定してやれば、Bank No.など数値入力せずにプログラムを名前で選択できるようになる。
  4. 次はPLG-150VLの音色編集。餅本体から編集できるのだが、 EmbouchureやTangingといった細かい設定は、 Voice Elementを個別に編集する時のようにElementボタンを押して Nativeタグにて編集していく。 Breath Controler BC3でやってみたかったので、 BrthMode=BC/WXにする。また、Pressure Control No.=02 つまり Breath Controlerにしてやれば息の強弱が音量の強弱になる。今回はフラッタータンギングを実現したかったわけで、それに直結するのがGrowl Controlだ。 PressureとBreath Noiseを周期的に変化させるのだそうだ。これもControl No.=02に設定。さらに実験的にAbsorptionをpitch bend wheelでコントロール金管の音の裏返りやフォールといったことを目論んだ。
  5. Breath Controler BC3だが、あれは説明書なる物がまったく無いに等しく、(メモ用紙程度の小さな紙切れに説明があったが)具体的にどうすればいいのかこれまでいまひとつ分からなかったが、 YAMAHAのMOTIF FAQに使い方があった。以下、断り無しに引用しましたごめんなさい。

BC3には「GAIN」と「OFFSET」の調節ツマミがあります。

  • 「GAIN」ツマミは、息に対する感度を調整します。
  • 「OFFSET」ツマミは、息を吹き込まない状態での出力値を調整します。

これらツマミを、ご自身の息の強さや演奏意図にあわせて微調整する必要があります。下記を参考に調整してみてください(上記ボイスエディット後の場合)。

  1. BC3の「OFFSET」ツマミを最小(左回いっぱい)にすると、鍵盤を押さえても音が出なくなります。
  2. 息を吹き込みながら、「OFFSET」ツマミを徐々に右に回し、鍵盤を弾いたときに音が出るように調整します。
  3. ご自身の息の強さにあわせ、「GAIN」ツマミを調整します。
  1. 編集したデータはBoardには保存されないらしい(というかそこにはmemoryがない)。しかし、どうも餅のFlush memoryに保存されるようだ。(というのも、やってみると Flush memoryに書き込んでいるときと同じ画面が出てくるからだ。)実際電源を切って入れなおすと、ちゃんと編集したPLGVoiceが登録されている。
  2. 因みに、YAMAHAのサイトにはVA音源講座なるページがあり、デモが聴ける。