太郎を眠らせ、太郎の屋根に雪降りつむ。
次郎を眠らせ、次郎の屋根に雪降りつむ。
三好達治「雪」
久しぶりの雪景色で、少々嬉しく、
屋根に積もる雪をボーっと眺める。
雪が積もる時、音はしない。
だがそれを「しんしん」と表現する日本語の感性が好きだ。
そして、この三好達治の詩ぐらい静かな詩を僕は知らない。
しずけさに浸れるのは幸せなことだ。
日常は情報と人工の音に埋もれている。
こころのなかも常に雑音が溢れている。
そういえば真正面に自分に向かう時間も取れていない。
孤立 ではなく、孤独を堪能するのは、
意外とできていないようだ。
外の雑音も内の感情という雑音もない、
まっさらな時間がちょっと欲しくなった。
そんな雪の日。
mixi 2007/01/08