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[musictrack出張所--tabris@Iskandal] [ヤマトサウンド耳コピ作品ストリーミング配信サイト--宇宙戦艦ヤマトの音楽]

未知なる空間を進むヤマト・リメイク

「スターシャ」で得たmixing技術を忘れないうちに,ということでただただ音がデカイだけになってしまっていた本作を4年ぶりに再度midiレベルから見直した.
音の間違いが相当あったし,楽器編成の見直しもしたかったからだ.

そもそも戦闘モノの楽曲は音のキレが重要で,しかしいつもmixingでそれが実現できないでいる.
DTMを始めた頃はQLSOの残響音がありがたかったが,今やHollywoodの残響音ですら気になってきた.
Spitfireのドライ音源が欲しいところだけど,現在のマシーン構成ではちょっと限界.
SSDで1Tはスペースを確保したいし,最新のNVMe SSDを搭載しようと思うと10年前のマザーボードでは無理だし,この際だからzen4が登場するまで大人しくしていたほうが良さそうな時期.

で,今ある音源で如何にしてクッキリさせるかを試行錯誤した.

例えばTimpanyも低音域を入力段階からがっさりカットしてからEnvelopeShaperで頭を作った(単独で聴くとかなり歪んでる).
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金管にQuadraFuzzを掛ける方法は前回のスターシャにて発見.
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それでもHornのStaccatoがもたつくので思い切ってHollywood音源元でenvelopeを触る.decayとrelease timeを短くした(というか,どうやらEW音源の場合それをするのが常識のようで,私が知らなかっただけらしい).
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実験してみるとdecay後のsustinレベルを下げるかどうかは楽器による.release timeを短くするとパッツンパッツンに切れるけど,mixしたときに気にならない程度を探す他ない.
これでHornのもたつきはかなり改善された.

で味をしめてStringsのStaccatoにも適用したのだけど,これが結構難航した.
というのも,このとき同時にMultiband EnvelopeShaperを適用していたのだけど,これがEW音源にもともと入っている音のon/off時の雑音を強調してしまって,結果プチノイズが乗ることになってしまったからだ.
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結局,ノイズが気にならない,しかしキレがはっきりするrelease timeを手探りで見つけることになった.
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Envelopeを音源側でイジったことの副産物として,それはつまりキレを追求したから結果そうなるわけだが,それまで余分に加算されていた音圧がかなり下げられた.つまりこのことによってDynamic Rangeを広げられるうえに(そうだ,StringsにはExpanderも掛けたのだった),後からcompressorで音圧を稼ぐ際の余裕も生まれた.というか,純粋にGainを上げるだけで十分な感じになった.

ちなみに,今回初めてStrings sectionでshort系とlong系でラックを分けた.
というのもEW音源はパッチごとではなくラック単位でCubaseのpluginを掛ける仕様になっていて,shortのみにEnvelopeShaperを掛けようとするとラックを分けざるをえない.
しかしそうしたことでEQやreverb sendなど,shortとlongで変えられることにもなって,今後使っていく方法になるだろう.
↓Short系では低音staccatoのもたつきを小さくしたいので,入力段階から低音を削った.Reverb sendも少なめに.
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↓一方,Long系では低音も十分響かせたいので入力段階では削らず,EQで変化させ,Reverb sendも多めに.
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最後にBUSであれこれ加工.
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できるだけリアルタイムのpluginで音作りを,と拘ってきたけど,今回からmasteringは新たにCubase projectを立てて,そこで編集することに.ずっと使ってこなかったdirect offline processingを初めて使ってみた.
実はずっとaudioファイルの試聴が個別にできなかったのだけど,それはBUSの設定が間違っていたから,ということを最近知った.
本当はcontrol roomに出力設定しなければならかったんだ!
sleepfreaks-dtm.com

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