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[musictrack出張所--tabris@Iskandal] [ヤマトサウンド耳コピ作品ストリーミング配信サイト--宇宙戦艦ヤマトの音楽]

side-B


レコードを買ったことのない世代だと分からないかもしれない。
(実は自分も買ったことはないのだけど。)
CDでいうところの、
タイトル曲でないカップリング曲のほうのこと。
ふりかえってみると、
今年まさに人生のside-Aが終わったようだった。




結局side-Aは終わりまで甘酸っぱい曲のままだった。
そして最後を飾ってくれたのが
生まれて初めて互いに恋人と呼びあうことの出来たあの人。
小さな頃からずっと望んで止まなかった姿で
やっと愛し合うことの出来た唯一の人だった。
心よりも深く、魂が呼び合っていたのだと、
多分お互い確信を持っている。

左肩に寄りかかってすやすやと眠るこの人を
僕は本当に愛している、
いや、この人が未熟な僕の愛を受け取ってくれている、
そう力強く実感できる時間。
自分が持ち合わせているありったけの不器用な愛を注ぎ込んでも、
あの人はその全てを包み込み、飲みこんでくれた。
ああ、これが幸せというものなのか、
それを今まさに両腕で抱きしめているのだ。
これ以上の幸せを、僕はこの先望むことがあるだろうか。




本当に止むを得ない理由で、
僕らは別れることになった。
少しばかり僕のほうが天から落っこちるのが早かったらしい。
他には何の理由もない。




今の僕が最優先で望むのはあの人の幸せだ。
そして実際、今あの人はどんどんと世界を広げ
明るいほうへ羽ばたいていっている。
何より嬉しいのは、
僕があの人を愛したことが
今のあの人の幸せの一因になっていること。
確かに僕の愛であの人が幸せになったこと。
その自覚をあの人が持っていて
この頃になってそれを教えてくれた。

自分が愛することで相手が幸せになる。
人がこの世に居るそれ以上の理由ってあるんだろうか。